一般社団法人 漁業ブ

近大水産研究所・大島養殖実験場を視察しました。

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近大水産研究所・大島養殖実験場を視察しました。

和歌山を下って、紀伊半島最南端・串本までやってきました。今回の漁業ブツアーの目的はマグロです。ここには近大マグロの養殖実験場があり、マグロの完全養殖を研究している第一人者の澤田好史教授にお会いしてきました。

2002年に世界初のクロマグロの完全養殖が成功して話題になった近大マグロですが、成魚までの歩留まりは5%程度で技術的にはまだまだ発展途上だそう。また近大マグロの出荷量はむしろ減少しており、クロマグロの持続可能な養殖を実現するためには、美味しさの差別化や価格競争に巻き込まれない付加価値が大事になってきています。

澤田先生はマグロの完全養殖の研究だけでなく、2022年から大阪の日本料理人グループと「いただきますを考える会」を発足して、持続可能な魚食システムの確立普及に向け、さらにアクションを広げています。その一つとして、ウニと共に海藻を食い荒らすアイゴの完全養殖に取り組んでいます。要はベジタリアンの魚なので、餌に(天然の稚魚が使われる)魚粉を使用せずに野菜で育てられ、そこに地産の付加価値も付けられるという着眼で、駆除されるアイゴの活用という逆転の発想が非常に面白い。

他にも色々最前線の興味深いお話をいただいたので、別途記事にしたいと思いますが、地域資源循環型の養殖のブランディングについて非常に意気投合して、漁業ブでも今後産学を超えて協力していければと思います。

アイゴの実験養殖槽の見学後、大瀬戸水産さんのご案内で近大マグロの養殖場から、イサキ・真鯛のサステナブルな養殖の取り組みも船で見学させていただきました。ここのイサキは5年以上かけて育てられ、料理人から日本一との評価も受け、著名なミシュラン三ツ星店でも使われているそう。とても学びが多く、今後の可能性を感じた1日になりました。

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