一般社団法人 漁業ブ

イノベーティブ・レストラン「HAGI」(いわき)

魚を食べる

福島県いわき市の目的地、イノベーティブ・レストラン「HAGI」に伺ってきました。最近Japan Timesの”The Destination Restaurant of the year 2023″にも選ばれて、漁業ブで福島の魚・常磐ものが気になっていることもありまして。

メニューに「畑の味」とあるように、オーナーシェフの萩春朋さんは、福島県の生産者との出会いで土地で育てられた食材の価値を発見、薪を使って素材の旨みを最大限に発揮するシンプルな料理を極めています。

東日本震災後に地域の食材流通が難しくなる中で、席数を減らして5,000円だったコースを20,000円ほどに値上げ、1日1組だけのレストランとして長く営業していたそう。生産者とタッグを組み、安さではなく正当な対価を実現しながら、顔の見える福島の食材の価値を発信し続けてきたそうで、まさにローカル・ガストロノミーのあるべき姿を先取りしてきたのだと感じます。

現在8-10人で満席のお店は、プライベートなディナーに招かれたような感覚で、シェフと色々会話しながら料理を味わえるのが素晴らしい。一皿ごとに生産者と出会える料理は、美味しさはもちろん、食材の発見と学びの悦びに溢れていて、マダムのサーブするペアリングワインとの地域の饗宴が楽しめます。

地のグリーンピースにホッキ貝、日戻りカツオの薪焼、福島のジュン菜に岩手の帆立・ウニ(北三陸ファクトリーに荒海帆立!)、福島名産の伊勢海老、ズッキーニ・ヤングコーンに経産牛、パッションフルーツとジャージー牛のアイス、暁星桃などどれも鮮烈で、レヴォのように海と山の食材の幸福な出会いがあり、薪で旨みを引き出されたワクワクする食体験を満喫しました。そして野菜の旨みを凝縮して閉じ込めた天ぷらも、成生のような素晴らしさ。

わざわざここに来ないと食べられない料理は、また季節を変えて伺いたい。そして漁業ブでも何かできないか、考えてみたいと思います。

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