今回の漁業ブ三陸ツアーの最終目的地は、岩手県沿岸の最北地、日本のうにの聖地・洋野町へ。北三陸ファクトリーの下苧坪さんにご案内いただきました。
うに栽培漁業センターで1年間育てた稚うにを海に放流し、約2年間沖合の漁場で過ごした後、世界で唯一の「うに牧場(増殖溝)」へ移し、天然の昆布やわかめを食べて大きくなります。
大きくなった4年もののうには、漁師によって水揚げされ、北三陸ファクトリーから出荷するプロセスを見学・解説いただきました。稚うにの栽培水槽がいっぱいに広がる風景が壮観で、そして稚うには”まっくろくろすけ”そっくりでかわいい。
海を眺める美しいファクトリー環境、再生型養殖の特許技術開発や、HACCAP対応も完璧な加工場も含め、水産業の未来を随所に感じる取り組みが素晴らしい。あとは漁業との一体化ですね。
その後、特別にうに殻割り体験をさせて頂いて、取り出したうにをその場で頂くことに。この作業が中々面白く、うにの個体差を実感することも出来ました。
気候変動でCO2を吸収するブルーカーボンとして注目を浴びている海藻類ですが、世界の海藻の7割を保有するオーストラリア地域では、ウニが食べ尽くす磯焼けの問題が深刻で、タスマニア島のジャイアントケルプの森を囲う海では95%が死滅しているとか。
昨日の日経新聞でも取り上げられていますが、北三陸ファクトリーはいよいよオーストラリアで共同事業を開始することに。うにによる磯焼けで死滅寸前の、オーストラリア海域のブルーカーボンの海藻を保全するため、再生型養殖の技術を世界に展開していきます。
漁業ブでも、同社の取り組みをさまざまな形で支援していく予定です。人生で一番うにを食べた3日間でした。