一般社団法人 漁業ブ

2024夏の漁業ブ三陸ツアー④ 南三陸町のサステナブルな漁業の取り組み

漁業ブ三陸ツアー3日目は、釜石から2時間ほど南下して南三陸町へ。同じ三陸でも気仙沼辺りから空気が変わる感じ。
南三陸では地域おこし協力隊として移住、昨年まで北三陸ファクトリーにいて現在は(一社)サステナビリティセンターに参画する、25歳の星空乃介さんと合流して案内いただきました。こちらで出会う若い人達は、本当に志と行動力、生命力が強くて感銘を受けます。

まずは南三陸で建設会社の新事業として海藻の陸上養殖・食品加工事業に取り組むSeasonに伺い、海藻ランチを頂きながら社長の阿部さんとお話を。
最近オープンした素晴らしい眺望のカフェレストランはセンス抜群で、すぐ下で陸上養殖を見下ろせる形で展開するそう。三陸はワカメも溶ける海水温で、藻場が壊滅的な状況になる中陸上養殖に活路を見い出す取り組み。

食後は、以前から行きたかった南三陸ワイナリーに立ち寄りました。震災後にヤマハを辞めて復興支援で移住した佐々木さんが、この地でゼロからワイナリー事業を創業、今は年間2.5万本のワインを出荷するまでに。
震災でゼロになってしまった宮城のワイン生産を復興し、地産の葡萄を育てながら南三陸の食に合うワインを生み出す情熱と努力は本当に素晴らしい。有名になった海中ワインも購入させて頂きました。

その後は、料理人でありながら地元に戻り、戸倉SeaBoysとして南三陸の若い世代の漁業を盛り上げ、南三陸が世界発祥地である銀鮭の養殖を継いで発展させようとする佐藤将人さんにお会いしました。
日本で初めて牡蠣養殖のASC認証を取るなど、南三陸ではサステナブルな漁業への革新が進んでいますが、急激な海洋温暖化で鮭や帆立など養殖事業も厳しい状況だそう。魚種変化にも対応していく前向きな姿勢が印象的でした。

星さんによると南三陸町は、「森里海ひと いのちめぐるまち 南三陸」というビジョンを掲げ、バイオマスや再生養殖はじめ、地域循環型のサステナブルな地域づくりを地域全体で推進しているそうで、注目すべき人達の取り組みに触れて未来への希望を感じました。またこちらにも定期的に訪問して、一緒に活動をしていきたいです。