一般社団法人 漁業ブ

千葉県・勝浦の金目鯛漁(外房つりきんめ鯛)を視察しました。

漁業ブのツアーで、千葉県・勝浦の金目鯛漁を視察に伺いました。サステナブルな漁業として注目を浴びるこちらの地金目は、カツオやイカの漁獲量が激減した中で最重要魚種となっています。小型漁船組合が漁協を超えて240隻もの金目鯛漁師で地域連携しながら、漁の4時間制限や夜間操業禁止、25cm以下は再放流、また7-9月の産卵期は禁漁期にして、取り過ぎない立縄漁の漁法などさまざまな自主規制ルールで資源管理を行なっています。

金目鯛産地として長年日本一だった静岡県(下田や稲取産が有名)が取り過ぎて漁獲量が激減してしまった一方で、資源管理しながら漁獲量を低位安定維持してきた千葉県が、結果的に今や日本一の金目鯛の水揚げ地になりました。

この日は潮の流れが速くなかなか揚がりませんでしたが、流石プロ漁師さん、きちんと獲っていただき水揚げ・選別行程を見学できました。見てくださいこの美しい朱色の体と金色に輝く目!(目玉が最高に美味しいですよね)

金目鯛も今や滅多に食べない高級魚になりましたが、房総の金目鯛は栄養が良くて脂の乗った美味しさが特徴で、立縄漁は釣り糸を手で丁寧に手繰り寄せるため傷も少なく美しいのも魅力。地元の名店・割烹中むらでいただいた金目鯛の煮付けも極旨でした。

シーフードレガシーの孫さんに勝浦の朝市などもご案内いただいた後、午後は東京からシェフも合流して漁師さん達とのセッションを。国の一方的な基準によるTAC(漁獲可能量管理)の金目鯛への導入が、成功している厳格な自主管理のルールを逆に崩壊させてしまうという問題点の議論も。

勝浦の漁の状況を伺いながら、シェフからの視点で活け締め処理や鮮度管理などの意見を交換をしたのが漁師さんにも非常に刺激になって、今後品質をさらに高めるための実験的な取り組みも進めていく話になりました。

漁師さんは獲った魚を仲買に出した後、誰にどのように使われているか知らない事が多く、シェフや消費者の視点、また他地域の生産者の取り組みを共有するのは、非常に意義のあることだと改めて認識。そして直接流通による品質向上・ブランド化のポテンシャルも非常に高いですね。