静岡県の焼津漁港から魚屋を経て、焼津詣での最終目的地にようやく辿り着きました。
温石さんは最近、ジャパンタイムズのDestination Restaurants 2022にも選ばれましたが、本当に焼津の魚屋・前田サスヱ魚店と料理人が思いを一つにした、最高の素材と仕込み、調理が一皿ごとに伝わってきます。静岡県・焼津ならではの茶懐石をコンセプトにしながら、ハッとする程の旨みを引き出された魚介料理を、その土地でいただける喜びを噛み締めました。美しく凛とした仕事の所作も素晴らしい。
シグネチャーの金目鯛の鱗焼きは、1週間寝かせるだけでなく、抜群の火入れでパリッパリの鱗と対照的に、ジューシーな鯛の白身の鮮烈な旨味を味わうことができる。ジンドウイカなど土地の魚介類も大切に使いながら、一皿ごとに季節の旬を味わう喜びを楽しませてくれて、また次の季節に行きたくなる店です。